ニュース&トピックス

風疹の流行について

2018.11.5
お知らせ
院長より

首都圏を中心に風疹の流行が拡大しています。

国立感染症研究所からは10月24日に今年になって報告された風疹患者数が1,486人になったと発表があり、昨年1年間(93人)の約16倍に上っています。

 

皆様もご存知のように、妊娠中に母体が風疹に感染すると胎児への影響として先天性風疹症候群(先天性心疾患、難聴、白内障など)が知られています。

特に妊娠初期の風疹感染は注意すべきであり、当院では初診時スクリーニング検査として風疹抗体検査(現在のところ女性患者様のみ)を施行させていただいております。

風疹抗体価低値の患者様には風疹ワクチン(MR(麻疹風疹混合)ワクチン)接種を推奨しております。妊娠中の風疹ワクチン接種は困難なため、風疹は妊娠前に抗体の有無を確認しワクチン接種をすることで風疹を予防することが重要になります。しかし、風疹ワクチンは生ワクチンであるため接種後は2か月の避妊期間が必要です。

 

そして、風疹ワクチンは妊娠を希望する女性だけでなく、風疹罹患歴がなく風疹ワクチン接種歴もない男性にも勧められています。

また、風疹ワクチン接種を受けても抗体がつきにくい方が時々おられます。そのような患者様は特にご家族様の風疹ワクチン接種への協力が重要となります。

ワクチン接種に関しては助成の対象となりますが、自治体により助成額が異なりますので、お住まいの自治体ホームページなどを確認してみて下さい。

 

現在、様々な報道がありご不安に思われている患者様もおられると思いますが、風疹は予防可能な感染症です。

より安心して治療に専念し、その後の妊娠生活を送っていただけるように治療中のご夫婦はもちろんご家族様にも、風疹について理解を深めていただき、予防に努めていただければと思います。

 

風疹に関して、下記も参考にしていただければと思います。

国立感染症研究所ホームページ

先天性風しん症候群対策事業(風しん抗体検査・風しんワクチン等予防接種費用補助)