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受精率を改善させるCaイオノフォアについて

2023.6.3
お知らせ
生殖技術部門より

ホームページをご覧のみなさまへ

顕微授精を行っても受精が成立しない事があります。

すべての卵子、または大部分の卵子が受精しない事を受精障害とよんでいます。原因は様々ですが、その一つに卵子活性化障害があります。通常、卵子に入り込んだ精子が受精に必要な物質を放出して卵子内のCaイオン濃度を上げます。この現象が受精のきっかけとなりますが、精子が物質を持っていなかったり放出できないと活性化が起こらず受精ができません。

このような障害に対して卵子活性化を手助けする薬剤があり、当院では『Caイオノフォア』を採用しています。顕微授精を行った卵子をこの薬剤に浸す事で卵子内のCaイオン濃度を上げて卵子活性化を促し受精させる事ができます。

当院の受精障害が疑われる患者様にCaイオノフォアを使用した場合の結果をご覧ください。使用しない場合と比べて2倍近く受精率が改善しています。

卵子活性化障害以外の原因がある場合は効果がありません。また、未熟な卵子を成熟した卵子に成長させる力はありません。

ご自身が適応となるかは医師、胚培養士にご相談ください。一人ひとりに合った治療法をご提案できるよう最善を尽くしてまいります。