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胚培養士の技量管理について

2022.10.1
レポート
生殖技術部門より

ホームページをご覧のみなさまへ

胚培養士は資格がなくても働ける仕事です。資格を持たず働いているベテランの方もいますが、当クリニックでは卵子学会が認定する生殖補助医療胚培養士の資格を実務経験2年を経て受験しています。現在、胚操作に携わるすべてのスタッフが生殖補助医療胚培養士の資格を所持しています。資格を取得して終わりではありません。資格を取得してからも学会参加、発表を行い日々情報収集とスキルアップを目指します。当クリニックの培養技師長は、全国に数十名しかいない管理胚培養士の資格を所持しています。

顕微授精を任せることができるまで1-2年ほどの施設が多い中、当クリニックでは約4年をかけじっくり研修を行うことで培養室のレベルを維持しています。研修中は必ず先輩が付き、一人で作業はさせません。11つの作業にチェック項目があり、何人かの目で見て、問題がない事を確認してからようやく一人で作業ができるようになります。

一か月ごとに顕微授精、胚融解、胚移植、胚生検の個人成績を出し、一人ひとりの手技に問題がないか確認することで、安定した技術力を維持しています。例えば左のグラフは当クリニックの顕微授精経験年数と正常受精率を比較したものです。顕微授精は実施者の技量が関係しやすいと言われていますが、当クリニックにおいて受精率はほとんど変わりません。上記右の凍結胚の融解のデータでも経験年数による生存率に差はありません。

患者様とお話しをする機会が少ない胚培養士ですが、患者様の胚を一番近くで見守っています。何か卵子、精子、胚のことで疑問・質問があればお気軽にお尋ねください。