胚盤胞移植

胚盤胞移植とは

胚盤胞移植とは

ここではまず、胚の発育について説明します。

写真1
写真2
写真3
写真4

写真1…採卵翌日に受精が確認できた胚
写真2…採卵後2日目、分割期胚(平均4細胞)
写真3…採卵後3日目、分割期胚(平均8細胞)
写真4…採卵後5日目、胚が内部から膨らんで大きくなっていきます。

写真4の胚が胚盤胞です。
自然妊娠の場合、卵管で受精した胚は、卵管内を移動しながら胚盤胞まで育って子宮内に到着し、子宮内膜に着床します(受精からは約5~6日目)。つまり、胚盤胞移植はより自然に近い状態で胚を子宮内に戻す事ができる方法です。

胚盤胞移植の利点

胚発育の進んだ良好な胚を選択して移植できます!

2日目・3日目の段階で良好胚であっても、移植後に胚盤胞まで発育する胚であるかを正確に見分ける事は困難です。その点、胚盤胞移植では確実に胚盤胞まで発育した胚を移植することができます。

妊娠率が高いため移植胚数を減らす事により多胎妊娠を予防できます!

より進んだ発育段階の胚を移植できるため、胚盤胞移植による妊娠率は高率です。このことから、移植胚数を減らす事により体外受精で問題となっている多胎妊娠(※1)を防ぐことが可能になります。

多胎妊娠とは 2つ以上の胎児が、同時に子宮に存在する妊娠のことをいいます。体外受精では妊娠率を向上させるため、複数個の胚を移植することがあります。(日本産婦人科学会では原則1個。)そのため、双胎(ふたご)、品胎(3つ子)などの多胎妊娠の可能性があるわけです。

胚盤胞移植の注意点

胚盤胞まで発育せず、胚移植ができないことがあります。

胚の質が悪い場合、もしくは胚の数が少ない場合、2・3日目では移植可能な胚であったのにもかかわらず、5日目に胚盤胞まで発育せず胚移植がキャンセルになることがあります。