● 採卵まで ●
自然周期によるIVF以外の場合は、通常「卵胞刺激ホルモン」という注射を月経周期が始まった頃から投与し、たくさんの卵胞を一度に育てて採卵を行います。この方法では、毎日注射を打つために病院に通う必要があったり、また「卵巣過剰刺激症候群」になる危険性もあります。特に卵巣の外側の膜が厚くなって排卵しにくい「多嚢胞性卵巣症候群(PCO)」の方ではその症状がさらに顕著に出るおそれがあります。しかし、このIVMでは、いっさい卵胞刺激ホルモンの注射を行わないため、「卵巣過剰刺激症候群」等の副作用が現れる心配がありません。卵胞径が約10ミリになった時点で、採卵を行います。

● 未熟卵培養と顕微授精 ●
IVMでは未熟な卵子を採卵するため、1日かけて体外で成熟培養を行います。そして、翌日に卵子の成熟が確認できたものに対して顕微授精を行います。一般の体外受精では、媒精と呼ばれる精子と卵子をシャーレ上で混合する技術が用いられますが、IVMでは卵子を包んでいる透明帯という膜が固くなっていると言われるため、全例、顕微授精となります。
● 孵化補助術 ●
卵子が着床するのを助ける一つの方法に、孵化補助術があります。一般の体外受精では透明帯の膜を一部酸性の液でやわらかくする方法がありますが、IVMでは先程も書いたように透明帯が固くなっているため、透明帯の一部ではなく、特殊な酵素が含まれる培養液で胚を1日培養し、透明帯全体を薄くする方法を用います。

● 胚移植と妊娠率 ●
通常のIVFの妊娠率30〜40%よりも、悪く平均して約20%です。この原因の一つに子宮内膜の厚さが不十分であると考えられるため、採卵時の子宮内膜の厚さにより、そのままその周期で胚移植を行うか、いったん凍結を行い別の周期で胚移植を行うかの選択することで、妊娠率の向上が見られました。
現在は体外の卵の培養方法を工夫し、卵子の成熟率や妊娠率を今以上に高める研究を進めています。