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3D超音波検査について(勝医師)

2019.7.3
レポート
医局より

通院中の患者様へ

今回の記事を担当します、医局の勝です。

婦人科・不妊治療でおこなう検査として、最も頻度が高いのが経膣超音波検査です。患者様には検査の度に内診台に上っていただく必要があり、できるだけ痛みがないように配慮はしていますが子宮や卵巣の位置や見え方によってはプローベとよばれる膣内に挿入する検査の機器を強く押し付けざるを得ないこともあり、負担もある検査かと思います。しかし子宮や卵巣の状態を短時間で、簡便に把握することができる非常に有用な検査です。

従来皆様が外来で受けられている経膣超音波検査は二次元(2D)で、つまり平面で子宮や卵巣などを描出しているのですが、近年は三次元(3D)、つまり立体的に子宮や卵巣をとらえることができる3D超音波が普及しつつあります。

当院では、2019年1月より新設された診察室で、午後に「特殊超音波外来」という枠で、主にこの3D超音波による診察をおこなっています。子宮内膜の厚さや卵胞の大きさ・発育をみるのは従来の2D超音波で十分ですが、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫といった子宮内の着床部位に関わるような病変や、子宮奇形などの子宮形態の評価は3D超音波のほうがわかりやすいことが多いです。初診時や治療経過でこれらの疾患が疑われる場合、特殊超音波外来での診察をすすめています。また、卵巣の中にある胞状卵胞という、成熟卵胞に育つ前の段階の数ミリの卵胞も、3D超音波でより詳しくみることができます。当院ではじめて体外受精をされる患者様は、体外受精をおこなう前の周期に、3D超音波でこの胞状卵胞の評価をし、他の検査の結果とあわせて卵胞を育てる方法や注射の量などを決めていきます。

そして無事妊娠され当院を卒業される際には、胎児の3D画像をお渡しすることも可能です。3D超音波での検査時間やプローベ挿入時の痛みなどは通常の2D超音波での検査と差はありません。ご興味がある方は診察室でお声かけいただくか、受付またはお電話で「特殊超音波外来希望」とお伝えください。