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妊孕性温存治療について(松岡医師)

2020.11.9
お知らせ
医局より

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今回のコラムを担当します医局の松岡です。

生殖医療従事者(不妊治療専門医師)の重要な役割の一つに「妊孕性温存治療」というものがあります。
「妊孕性(にんようせい)」とは「妊娠する力」のことであり、「妊孕性温存治療」は将来の妊娠の可能性を残す治療になります。

妊孕性温存治療には「医学的適応」と「社会的適応」の2種類があります。
「医学的適応」とは、がんや膠原病などで卵巣や精巣機能が失われる可能性があるような化学療法(抗がん剤)や放射線治療を予定している患者様に対して、事前に卵子や受精卵、精子の凍結保存を行うものです。
また、「社会的適応」とは、年齢を重ねることによる妊娠率の低下は広く知られており、仕事のキャリアアップなどによりすぐの妊娠の予定はないが、将来的に妊娠を希望する患者様に対して、卵巣機能が低下する前に卵子や卵巣の凍結保存を行うものです。
 
当院では「医学的適応」の卵子、受精卵、精子凍結保存を行っております。
がん治療担当医師と連携を取りながら、原疾患に注意し最大限の妊孕性温存ができるようにサポートさせていただいております。

「妊孕性温存治療を希望するかは分からないが話だけ聞いてみたい」場合や「ご本人は入院しているためまずはご家族だけ先に話を聞きたい」場合も対応可能です。
また、ご希望があればオンライン診療でも対応させていただいております。

当院での「医学的適応」妊孕性温存治療をご希望の患者様は、主治医の先生と相談の上、当院へいつでもご連絡下さい。