ニュース&トピックス

日本がん・生殖医療学会参加報告(勝医師)

2020.3.19
レポート
医局より

ホームページをご覧のみなさまへ

今回のコラムを担当します、医局の勝です。
2020年2月15日、16日に埼玉県で開催された「第10回日本がん・生殖医療学会」に参加してきましたので、そのご報告をさせていただきたいと思います。

がん・生殖医療とは、がんや悪性疾患に罹患した場合、抗がん剤や放射線治療などのがんに対する治療によって失われてしまう可能性のある「妊孕性(にんようせい=妊娠する力)」を、生殖医療により温存、つまり妊娠できる可能性を少しでも残しておくための医療です。当院でも不妊治療だけでなく、他施設からご紹介頂いた妊孕性温存治療対象の患者様の治療も積極的に行っています。

今回の学会では、その妊孕性温存治療の質的・量的均てん化をテーマに様々な講演・発表がおこなわれました。妊孕性温存治療も治療費が数万~数十万単位でかかりますが、助成金に関しては不妊治療よりも窓口が狭く、助成金制度を設けている都道府県が限られているのが現状です。
大阪府は体外受精実施施設も多く生殖医療を受けやすい環境にあるにもかかわらず、2020年2月現在、妊孕性温存治療に対する助成金制度はありません。
行政との兼ね合いもあり難しいところもありますが、今回の学会に参加して、将来お子様を望まれる方が金銭的な面で妊孕性温存治療を断念されることがないよう、公的補助制度の実現に力を入れてくれる議員さんを私たち市民が選ばなければならないと感じました。

当院での妊孕性温存治療については、「将来、お子様を望まれるがん患者様へ」のページをご覧ください。