卵母細胞の保存というテーマを中心に、生化学や発生工学の手法を使って体外発育・体外成熟研究を行っています。
出生時の哺乳類の卵巣には数多くの卵母細胞が蓄えられており、その数はヒトで200万個、ブタでは10万個ぐらいと言われています。
この中で成長を開始し排卵に至るものは、選ばれたわずかな卵母細胞のみで、そのほかの多くの卵母細胞は成長をすることなく失われてしまいます。
現在、私達は基礎研究の実験材料のひとつとして、ブタの卵巣から得られた卵胞内卵母細胞を用いて以下の研究に取り組んでおります。
高率な体外成熟培養技術の確立は、卵子の発育不全などの疾患を救う手立てにもつながると考えています。すでに当院では日本で始めて未熟卵子体外培養胚移植技術により妊娠出産に成功いたしております
卵巣機能が何らかの要因によって失われる前に卵巣組織を採取、凍結保存することによって妊孕性を保つことが出来ると考えられています。近年この技術を用いた妊娠出産報告が1例報告されております。
これらの技術が、普遍的な技術として臨床に応用できるようになれば、卵巣の凍結保存や小さな卵母細胞を体外で大きくすることができ、現在治療が困難な患者さんでも得られる卵子の数が増大し、卵胞の発育に伴う様々な副作用を回避できるかもしれません。
所属スタッフの論文発表等の業績はこちらをご覧ください。
リプロダクティブサイエンス研究所は2017年9月に大阪市立大学医学部に設立された研究室です。
大阪市立大学の最新設備を用いながら、生殖細胞形成のメカニズムを理解し、生殖医療への貢献を目指しています。
リプロダクティブサイエンス研究所のホームページはこちら